終活のことを調べていると、最近よく見かける言葉があります。
「ゼロ葬」
最初に見たとき、
「え、ゼロって何がゼロなの?」
「お葬式をしないってこと?」
とちょっと混乱しました。
調べてみると、ゼロ葬はざっくり言うと
「火葬のあと、遺骨を家に持ち帰らず、お墓も作らない」
という考え方のお別れのスタイルのことだそうです。
今回はこの「ゼロ葬」について、
どんな考え方なのか、実際にはどういう形になるのかを調べてみました。
ゼロ葬とは?ざっくりイメージ
ゼロ葬は一言でいうと、
「遺骨もお墓も持たない終わり方」
という考え方です。
つまり
- お墓を作らない
- 仏壇も持たない
- 遺骨も手元に残さない
というスタイル。
これまで日本では、
- お墓を作る
- 遺骨を納める
- 家で仏壇を守る
という形が一般的でしたよね。
ゼロ葬は、そういう**「形として残るもの」をできるだけ持たない**という発想です。
ゼロ葬の考え方の始まり
ゼロ葬という言葉は、
宗教学者の 島田裕巳 さんが提唱したと言われています。
著書の 0葬―あっさり死ぬ の中で、
「火葬をした時点で区切りとし、
遺骨やお墓を持たない終わり方もあっていいのではないか」
という考え方が紹介されました。
それがきっかけで、
「ゼロ葬」という言葉が終活の世界で知られるようになったそうです。
でも日本では「完全なゼロ葬」は難しいことも
ただ、調べてみると
本に書かれているような“完全なゼロ葬”は、日本では実行が難しい場合も多いようです。
理由はシンプルで、
多くの火葬場では
「遺骨は一度、遺族が引き取る」
という前提になっているからです。
つまり
- 火葬場が遺骨をそのまま処分する
- 遺族が何も受け取らない
という形は、制度として想定されていないケースが多いそうです。
なので実際には、
「ゼロ葬に近い形」
で行われることが多いと言われています。
ゼロ葬を考える人の理由
ゼロ葬を検討する人の理由は、だいたい次のようなものが多いようです。
継ぐ人がいない
例えば
- 子どもがいない
- 親戚に負担をかけたくない
- お墓を継ぐ人がいない
という事情。
お墓は作るだけでなく、
- 管理
- 掃除
- 維持費
なども必要なので、
将来の負担を考えて最初から作らないという考え方です。
お金の負担を減らしたい
お墓を作るとなると、
- 墓石代
- 永代使用料
- 管理費
など、けっこうな費用がかかります。
さらに仏壇などもそろえると、
思っている以上にお金がかかることも。
ゼロ葬は、
「その負担を最初から作らない」
という発想でもあります。
形にこだわらない価値観
最近は、
「お墓がなくても、思い出は残る」
「形より気持ち」
という価値観の人も増えているそうです。
宗教的なこだわりが強くない人ほど、
この考え方に共感することが多いとも言われています。
焼き切りとの違い
終活の記事を読んでいると、
**「焼き切り」**という言葉と一緒に紹介されることもあります。
でも実はこの2つ、
話のポイントが少し違います。
簡単に言うと、
- 焼き切り
→ 火葬で骨を残さないことができるのか(火葬炉やルールの問題) - ゼロ葬
→ 火葬のあと、遺骨やお墓を持つかどうか(価値観や生活の問題)
という違いです。
なので
焼き切り=火葬の技術の話
ゼロ葬=終わり方のスタイルの話
という感じですね。
現実的な「ゼロ葬に近い」選び方
実際には、完全なゼロ葬ではなく
ゼロに近い形が選ばれることが多いようです。
直葬+永代供養・合祀墓
まずよくあるのがこの形です。
- 通夜や告別式を行わない「直葬」
- 火葬後、遺骨を永代供養墓や合祀墓に納める
こうすると、
- 自宅に骨壺を置かなくていい
- お墓の継承問題もない
というメリットがあります。
直葬+散骨
もう一つ多いのが散骨です。
流れとしては
1 火葬
2 遺骨を粉骨
3 海や山に散骨
という形。
これだと
- 家にも
- お墓にも
遺骨が残らないので、
「実質ゼロ葬」として紹介されることもあるそうです。
寺院や自治体に一任するケース
地域によっては、
- 直葬
- 遺骨は最初から寺院の合祀墓へ
という形で「ゼロ葬プラン」を用意している葬儀社もあります。
ただしこれは地域差が大きいので、
自分の住んでいる地域でできるかどうかは
事前に確認が必要です。
ゼロ葬のメリット
ゼロ葬のメリットとしてよく言われるのは、次のような点です。
費用をかなり抑えられる
お墓や仏壇を持たないので、
- 初期費用
- 維持費
どちらもかなり減らせます。
継承の問題がなくなる
お墓があると、
- 誰が継ぐのか
- 将来お墓じまいをするのか
など、いろいろ問題が出てきます。
ゼロ葬は
そもそもお墓を持たない
ので、その問題自体が発生しません。
注意しておきたいポイント
ただし、ゼロ葬には注意点もあります。
家族と価値観が合わない可能性
本人は
「何も残さなくていい」
と思っていても、
家族は
「お墓くらいは欲しい」
「遺骨を持っていたい」
と思うこともあります。
このあたりは、
生前に少し話しておいた方が良さそうだなと思いました。
後から気持ちが変わることも
今は
「何もいらない」
と思っていても、
時間がたつと
「手を合わせる場所が欲しい」
と思うこともあるかもしれません。
なので完全なゼロではなく、
- 合祀墓だけは用意する
- 樹木葬にする
など、少しだけ形を残す選択をする人もいるようです。
まとめ:ゼロ葬は「考え方」の一つ
今回調べてみて思ったのは、
ゼロ葬は
特定の葬儀の形というより
「どう終わりたいか」という考え方
に近いものなんだな、ということでした。
完全なゼロ葬は
日本の制度だと難しい部分もあるようですが、
- お墓を持たない
- 遺骨を家に残さない
という方向性は、
これからますます増えていくのかもしれません。
終活って、
「何を残すか」だけじゃなくて
「何を残さないか」も考えることなんだなと感じました。
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